「高い査定額を出した会社」が、いちばん高く売ってくれるとは限りません

沖縄の古いRC空き家と3冊の査定書

査定を4社へ依頼した。

3社は、だいたい同じ金額。

でも、1社だけ900万円も高い。

この瞬間、少し安心すると思います。

「実家には、思っていた以上の価値があった。」

そう感じるのは自然です。

ただ、ここで一度だけ止まってください。

高い査定額を出した会社が、いちばん高く売ってくれるとは限りません。

査定額は、その会社が買う金額ではないからです。

特に沖縄の空き家は、土地相場だけでは値段を決めにくい。

古いRC住宅、解体費、接道、駐車場、台風による傷み。

買主が購入後に負担する金額まで見ないと、本当に売れる価格は分かりません。

目次

査定額は「約束」ではありません

不動産会社の査定は、一般的に「このくらいなら売れるだろう」という予測です。

売買契約の金額ではありません。

買取価格とも違います。

仲介で売る場合、最終的にお金を払うのは不動産会社ではなく買主です。

そのため、査定書に4,000万円と書かれていても、4,000万円で買う人が現れなければ売れません。

逆に、3,500万円の査定でも、買主の使い方まで考えた販売ができれば、条件よくまとまることがあります。

大切なのは、一番大きな数字ではありません。

その数字まで、どうやって買主を連れていくのか。

ここです。

沖縄では「土地の値上がり」が査定を難しくします

沖縄の土地価格は、上昇している地域が少なくありません。

近所の土地が高く売れた。

地価公示も上がった。

数年前より問い合わせが増えた。

こうした材料は、査定に反映されます。

ただし、土地の坪単価が上がったことと、空き家全体が同じ割合で高く売れることは別です。

たとえば、土地が広ければ坪単価が相場どおりでも総額が大きくなります。

築年数の古いRC住宅があれば、買主は屋上防水、給排水管、窓、電気設備を確認します。

再利用しにくければ、解体費も計算します。

駐車場が1台しか取れなければ、周辺相場が高くても購入できる家族は限られます。

売主は土地の値上がりを見る。

買主は購入後の総額を見る。

この差が大きい物件ほど、査定額にも幅が出ます。

高い査定額には、2種類あります

高い査定額が、すべて悪いわけではありません。

本当にその会社だけが、価値を見つけている場合もあります。

たとえば、隣接地の所有者へ提案できる。

古いRC住宅を探している買主がいる。

事業用、倉庫、二世帯住宅など、普通の住宅以外の使い方を想定している。

このように、買主の顔まで見えている高値なら、理由があります。

一方で、媒介契約を取りたいだけの高い査定もあります。

まず高い数字を提示する。

売主から依頼を受ける。

数か月後に「反響がないので下げましょう」と提案する。

結果として、最初から現実的な価格で売り始めた場合より、時間がかかることがあります。

見分ける方法は、意外とシンプルです。

「その価格で買うのは、どんな人ですか?」

と聞いてください。

答えが相場資料の説明だけなら、まだ販売の話にはなっていません。

査定書では「価格」より、この3つを見てください

1.成約事例と売出事例が分けられているか

現在売りに出ている価格は、売主の希望価格です。

実際に売れた価格とは限りません。

高い売出事例だけを集めると、査定額も高く見えます。

似た物件が、最終的にいくらで売れたのか。

売れるまで何か月かかったのか。

ここまで確認したいところです。

2.建物を残す場合と壊す場合が比較されているか

沖縄の古いRC住宅は、木造住宅と同じ感覚で見られません。

まだ使える部分がある一方、修繕や解体にまとまった費用がかかることがあります。

古家付きで売る。

売主が解体して更地で売る。

買主が解体する前提で価格を決める。

少なくとも、この違いは査定時に整理しておく必要があります。

3.最初の90日間に何をするか決まっているか

ポータルサイトへ載せる。

それだけでは、販売計画とは言いにくいです。

誰を買主として想定するのか。

どの写真を使うのか。

近隣へ知らせるのか。

問い合わせがなければ、何週目に何を変えるのか。

高い価格へ挑戦するなら、値下げの前に試すことまで決めておきたいところです。

一番高い会社ではなく、一番説明できる会社を選ぶ

査定額は、低ければ正直というわけでもありません。

高ければ嘘というわけでもありません。

だから、金額だけを並べても会社は選べません。

私は、査定を受けたら次の質問をするのがいいと思います。

この価格で買う人は誰ですか。

建物は残して売りますか。

3か月で反響がなければ、価格以外に何を変えますか。

査定額が高い会社より、この3つを具体的に説明できる会社の方が、売却後の後悔は少なくなります。

空き家の価値は、査定書の一番上に書かれた数字だけでは決まりません。

売れる根拠と、売る方法がセットになって、初めて査定です。

沖縄の空き家査定を、売り方から整理します

沖縄空き家買取センターでは、査定額だけをお伝えするのではなく、仲介、現況買取、古家付き、解体後売却などを比較します。

古いRC住宅、県外相続、家財が残っている家、他社の査定額に違和感がある場合でも構いません。

高い査定が妥当なのか。

低い査定に見落としがないのか。

現在の状態のまま、売り方と一緒に確認できます。

査定額だけでなく、片付け費用や解体費用を含めた条件を比べたい場合は、空き家の現況買取と査定について相談することもできます。

この記事を書いた人

田端 宰のアバター 田端 宰 まぶい不動産 代表

まぶい不動産代表|空き家の専門家
5年間、法律事務所の相続分野での経験をもとに、「住まいの再出発」をサポート。沖縄の相続によって空き家になってしまった不動産を中心に、他社が敬遠する困難な現場の原状回復における責任者を務める。現場で培った知見をもとに、空き家に関する法的な注意点について解説。不動産価値の毀損を最小限に抑える独自のサービスを展開。特殊清掃から、空き家の売却活動まで一気通貫したサポートを行なっている。

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